未踏の古道を求めて。渓谷の奥深くへ踏み込む探検者たちの記録。道はまだ、語り尽くされていない。
藪に埋もれた石畳を発掘。600メートルの未記録区間を発見した2025年の記録。
明治時代に廃道となった峠越えルートを再発見。霧の中での3日間の探索記録。
既知ルートの全区間を歩き直し、新たな分岐点と道標を確認した2025年秋の調査。
霧が濃い朝は、道が消えたように見える。しかし、足元の石は確かに続いている。不確かな視界の中で、足の感覚だけを頼りに歩く体験は、古道探索の本質を教えてくれる。
霧の中では、道が旅人を導く。方向ではなく、足元の質感、微かな踏み跡の痕跡——これらが指針となる。これを「道との対話」と私たちは呼ぶ。
ジャーナルを読む45年前の地形図を頼りに、藪の中に分け入ると、確かに石畳の痕跡を発見した。幅1.5メートル、推定600メートルの未記録区間。江戸時代の石工の技が、植生の下に眠っていた。
明治39年の地誌に記録された「北の廃道」を追って、3日間の探索。稜線の北斜面に、明治期の鉄製道標を発見。表面は錆びているが、刻まれた文字は判読可能だった。
かつて銅細工師たちが工房間を往来した小径の全区間を踏査。現存する4軒の工房跡を確認し、手描きの地図に記録した。小径沿いには、今も使われていない古い炉の跡が残っていた。